HOME ■自然栽培米ミナミニシキの独自の田植え方法|健ちゃんファーム■
熊本県玉名市で農薬と肥料を使用せずに
自然栽培米ミナミニシキを育てる
前田 英之さんの田植えが7/5に終わりました。
前田さんは田植え後に
周りの農家さんがしていない一手間を入れています。
上の写真を見られてお分かりになるでしょうか?
一定間隔で溝を切っているのですね。
私は、このような田んぼを見た事がありません!
農薬や肥料を使用しない自然栽培米農家は
毎年、知恵を絞り進化しています。
なぜ、このような溝を切ることになったのか???
そこには、自然栽培米の課題を克服しようとする
自然栽培米農家さんの努力が垣間見れます。
【目次】
前田さんは、7/5に田植えが終わりましたが
その次の日にかなりの大雨が降りました。
3日間ほど大雨ために田んぼに入れなかったのですが
田んぼに戻ってくると
上の写真のように植えたはずの苗がないのです・・・・・
よく写真を見てみると
苗が無い所には、一つの共通点が見えると思います。
お分かりになるでしょうか?
水が溜まっている箇所の苗が無くなっているのですね。
これは、
ジャンボタニシによる食害の状況です。
薬剤を使用しない自然栽培米農家にとって
田植え後、1ヵ月間気を付けないといけないことは
ジャンボタニシ対策なのです。
田んぼの中で深水の所があると
ジャンボタニシが猛威をふるい
植えたばかりの苗を食べてしまうのです。
写真のように深水の所に
ジャンボタニシが集まっているのが分かります。
彼らは、涼しい所を好むので
水が溜まっている所に集まるのです。
田植え後の苗を食べてしまう
ジャンボタニシは、有害動物なのでしょうか?
実は、このジャンボタニシは、
人間の都合によって日本に持ち込まれたタニシです。
このジャンボタニシは、
1980年以前には日本にいませんでした。
1981年に台湾から長崎県と和歌山県に
初めて食用として持ち込まれました。
1983年には、養殖場が35都道府県500か所にまで広がったようです。
しかし、採算が取れなかったため廃棄されたのですね。
1984年には、有害動物に指定されましたが
養殖場から逸出したものが野生化し、ドンドン広がってきました。
日本の侵略的外来種ワースト100リスト選定種の一種にもなっています。
(参照:Wikipedia:スリミンゴガイ(ジャンボタニシ))
ここまで見ると
ジャンボタニシは、かなりの悪者のように感じますね。
稲作においては
田植え後の苗が食べられるので
有害動物扱いですが、
良い点があるとすると、他の草も食べてくれるのです。
田植え後、1ヵ月以上経つと
稲の茎が強くなってくるので
ジャンボタニシは、稲を食べずに周りの草を食べてくれるのです。
なんと
ジャンボタニシが、除草作業をしてくれる
ありがたい動物に変わってくれるのです。
しかし、
このような捉え方をしているのは
無農薬栽培をしている米農家さんくらいではないでしょうか?
自然栽培米ミナミニシキを育てる前田さんは、
田植え後1ヵ月のジャンボタニシの食害を抑える方法がないか
毎年模索していました。
今年、前田さんが新たに挑戦した方法とは
田植え後に、溝を切りました。
私は、このような田んぼを見たことはありません。
手間がかかって、
このように溝を切る農家さんはいないでしょう。
農薬や肥料は、効率化するために使用しますが
自然栽培米農家は、農薬や肥料を使用しない分
知恵を絞る必要があるのですね。
ジャンボタニシは、深水の箇所に集まる習性があるので
この方法だと
植えた苗は、ジャンボタニシに食べられることはありません。
田んぼの地表面が日に当たり過ぎると
今度は草が生えてくるので
あとは、水管理で状況を見て調整です。
既に田んぼに入ってしまった
ジャンボタニシを敵とみて排除するのか、共生するのか?
自然栽培米農家 前田さんは
知恵を絞る必要がありますが、共生する道を選んでいます。
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